青山美智子(著)「リカバリー・カバヒコ」あらすじ&感想|不思議なカバを巡る物語

ほっこり
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こんにちは、なおみです!

今回ご紹介する本は、
青山美智子さんの「リカバリー・カバヒコ」です。

舞台は、新築分譲マンション
“アドヴァンス・ヒル”。

その近くの公園には、
古びたカバの遊具がありました。

「人呼んで、リカバリー・カバヒコ…カバだけに」

カバヒコには、自分の治したい部分と同じ部分を触ると治る、
という都市伝説があるんです。

進学校の劣等生になってしまった男子高校生、
ママ友に馴染めない元アパレル定員、
ストレスから休職中のウェディングデザイナー、
走るのが嫌いな小学生、
年老いた母との関係に悩む編集長。

性別や年代は違えど
それぞれが抱える苦悩に自分を重ねてしまう作品でした。

2024年本屋大賞7位。

心温まる、青山ワールド全開の物語!

それではさっそく、感想を綴っていきます。

「リカバリー・カバヒコ」の基本情報

まずは基本情報からご紹介します。

書誌情報

タイトルリカバリー・カバヒコ
著者青山美智子
出版社光文社
発売日2023/09/30
本の長さ234ページ
書誌情報

あらすじ

新築分譲マンション、アドヴァンス・ヒル。近くの日の出公園にある古びたカバの遊具・カバヒコには、自分の治したい部分と同じ部分を触ると回復するという都市伝説がある。人呼んで、”リカバリー・カバヒコ”。
アドヴァンス・ヒルに住まう人々は、それぞれの悩みをカバヒコに打ち明ける。急な成績不振に悩む高校生、ママ友たちに馴染めない元アパレル店員、駅伝が嫌でケガをしたと嘘をついた小学生、ストレスからの不調で休職中の女性、母との関係がこじれたままの雑誌編集長……

引用元:光文社https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334100520

こんなあなたにオススメ

・人には言えないしんどさがある

・過去から立ち直るキッカケを掴みたい

・本屋大賞ノミネート作品を読んでみたい

方にオススメの一冊です!

「リカバリー・カバヒコ」を読んだ感想

①自分をリカバリーしてくれるもの

登場人物はみんな、身体のどこかに不調を抱え、
“治したい”と願っている人たちでした。

暗い気持ちに呑まれそうになりながらも
もがき進んでいく姿は、いい意味で人間らしい泥臭さを感じます。

決して“元通り”に戻れるわけじゃない。

それでも、自分なりのリカバリー方法を見つけていく主人公たち。

「同じようには戻らないけど、経験と記憶がついて、心も体も頭も前とは違う自分になるんだって」

「リカバリー・カバヒコ」p.208

どれだけ頑張っても、
必ずしも望むようなハッピーエンドにはならない。

だけど、理想の未来に向けて、今できる最善の行動を重ねたら
曲がりなりにでも本質は実現できるのではないか、
と物語を通して考えさせられました。

本質というのは、たとえば「歌手になりたい!」のもっと奥にある「多くの人を勇気づけたい!」という動機のようなものです。

表面上の欲望よりも、
心の奥底の願望の方が叶うのかな、と。

なおみ
なおみ

そして何より、努力の過程は
未来の自分をリカバリーしてくれると思います^^

②お気に入りの話

私は、第2話の「紗和の口」が印象に残りました。

どれだけ遠回りしても、寄り道しても、
人は“やりたいこと”に自然と導かれていくのかもしれません。

少しスピリチュアルな話になりますが、
私たちは生まれる前に、今世の目的(使命)を決めてくると言われます。

使命は大きな1本道になっていて
この道に沿って進むから、物事がうまく回り始めるらしいです。

私にも、ずっと諦めきれないことがあったのですが、
「やっぱりこれが好き。ちゃんと本気で向き合おう」と腹を括ってからは
頭も心もスッキリした状態で頑張れています。

なおみ
なおみ

紗和さんにとって
接客業は天職だったんだろうな〜

③カバヒコの不思議な力

ただの都市伝説とはいえ、
カバヒコには悪いところを治してくれる力が
本当にあるように見えますね。

どのお話も、カバヒコに出会い、触れたタイミングから
事態が進展しているからです。

しかしそれは、不思議な力のおかげというよりも
カバヒコに触れることで「治る」と信じた意識の力なのだと思います。

そして、「絶対に今の自分を変えるんだ」という意志の力。

カバヒコは、決意を持つキッカケになってくれる存在だったのかもしれませんね^^

まとめ:きっと、私たちの近くにもカバヒコはいる

前を向くために必要なのは、ちょっとしたキッカケだけだったりします。

お気に入りのぬいぐるみ、大事に育てている観葉植物、読むたびに元気をもらえる本…
触れるだけで心がホッとするような、何も言わず見守ってくれているような存在。

誰にでも自分にとっての“カバヒコ”がいて、
いつでも私たちにキッカケを与えてくれている、
そんなことがあったら素敵ですよね^^

装丁に描かれた味わい深い風貌や、
1話ごとに書かれる姿形により
すっかり私はカバヒコに愛着を持ちました(笑)

なおみ
なおみ

青山さんの作品に、カバヒコが再登場してくれることを
ひそかに楽しみにしています!


最後までお読みいただき、
ありがとうございました。

また次回、お会いしましょう♪

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